ども、イマシタです。
自分は表現が下手なんじゃないか?
自分が言いたいことが相手にうまく伝わらない。
なんてことは俳優をやるやらないに関係なく、日常生活においてもよくある事だと思います。
僕は、ちょっと性格も変わってるし、頭の中で考えてることに口が追っつかないし、そもそも、頭の中で考えてる事が荒唐無稽らしく、よく何を言ってるのかわからないと言われてました。
てか、今も言われます。
で、なんでなんだろう?
なんで僕が考えてることは相手に伝わらないんだろう?
なんてことを考えていたんですが、その中で、僕が気付いた3つのことをお話しします。
これは、演技レッスンや、表現を始めたいと思う人達に向けて、最初の機会に言うことです。
- 日本人的考えの要因
- 体の仕組みの要因
- 日本語的要因
の3つです。
これが絶対とは思いませんが、ちょっとでも共感してもらうところがあればうれしいです。
日本人的考え
こんな事専門的過ぎて、話そうと思ったらどれだけ時間があっても足りないんですが、ざっくりいうと日本人的な考え方の代表的な言葉があります。
慮る
「慮る」の意味は「思いを巡らせ、よく考える」
「慮る」は、「あれこれと思いを巡らせ、よく考える」「周囲の状況などをよく考える」という意味です。そもそも、「慮る」の「おもんぱかる」という読みは、「おもいはかる(思い量る)」という意味に由来します。相手のことや周囲の状況に「思いをめぐらせる」「深く考える」というのが「慮る」なのです。
「慮る/おもんばかる」の意味と使い方とは?類語・言い換え表現も | TRANS.Biz (trans-suite.jp)より引用
おもんぱかる ですよ、おもんぱかる。
ぼくは、おもんばかるって言いますけど。
これ、結構日本人的な考えと思うんです。
外国の方は「気遣う」はありますが「慮る」人はそうそう見たことはありません。
一つの例として、ここ何年か韓国・釜山の芸術家の方々とやり取りをしてるんですが、ある時(初めて釜山に行ったときかな?)サムギョプサルを食べに行ったんです。
んで、サムギョプサルの鉄板を見て僕が欲しいと言ったんです。
おー!だったら明日、日本に帰る前に俺が国際市場で買ってきてやんよ!
と言ってくれたんですね。
料理好きだし、日本でもその鉄板があればサムギョプサルが食べれるぞっ!って、かなり喜びました。
んで次の日、船で帰る予定で、16時くらいの乗船で、その前に飯食って、カフェでまったりしてて。
でも、そのひとはサムギョプサル用の鉄板持ってないし、買いに行く様子もない。
サプライズで帰る間際に渡してくれるのかしらん?
なんてこと考えて、いよいよ、乗船前に
あれ?サムギョプサル用の鉄板は?
ん?なんのこと?
昨日国際市場で買ってきてくれるって…
あ、やばい!忘れてた!
てなことがありました。
この友人が忘れっぽいとか、あわてんぼうだという話ではありません。
気付いてたんならなんで早く言わないんだ!
と言われたんです。
そう、僕は相手のことを慮り、言えずにいたのです。
また、こんなこともありました。
イマシタさん!今度釜山で打ち合わせしましょう?いつ来ますか?
そうですね。早い方がいいですか?
早い方がいいですね。来月の頭だといかがですか?
来月の頭か…
ここで日本人の僕は
来月頭には用事があるなぁ…でも早い方がいいと言ってるし、頭あたりを指定してくるってことは、相手はその辺の都合がいいはず。だったら来月の頭にしなくちゃいけないことを中旬に延期して、相手にとって都合のいい来月頭に打ち合わせしよう。
と考え
わかりました。来月の3日か4日はいかがですか?
ちょっと待ってください。確認します…
すみません、その週はスケジュール埋まってマスね
ええええええええええーーーーっ!
と、なる訳です。
まあ、これは極端な例ですが、相手からしてみると
打ち合わせを早くしたい → 来月を提案 → 相手の都合はよし → こっちのスケジュールNG → リスケすればいい
とすごくシンプル。
ただ、僕が、慮ってあれこれ考えたから「ええええええええーーーっ」となってしまっただけです。
忖度もそうですよね。相手のことを考えすぎて余計なことをしてしまう。
言いたいことも言えず、言葉にすると回りくどく、相手に伝わりやすくなるようにと「慮って」、かえってわかりにくい表現をしてしまう。
「気遣う」は大事です。
ただ、過度な「慮る」ことは、表現の世界では必要ないです。
ストレートに、直球で!おんなじこと言ってる
自分が、慮りたがる日本人であるということを自覚してみてください。
意識するだけで、自覚するだけで、人というものは変わることができる不思議な生き物です。
体の仕組み
体の仕組みで「表現」についてと書くとなると、いろいろなことがあると思いますが、ここでは「声」「発声」という観点から話してみます。
この話も、話しだして専門的なこと言いだすと長くなるし、そんな完璧に僕も理解しているわけではないので、ざっくり、ざっくりわかってもらえれば。
結論から言うと
外国語の多くは腹式呼吸で発話しないと聞き取れない言葉。
日本語は胸式呼吸(腹式呼吸ではない)で発話しても、ある程度は聞き取れる。
ざっくりですよ?この外国語は胸式だけでも聞き取れるとかそんなのなしで、ざっくり。
これわかりやすく言うと英語圏とかで暮らしてる人は、腹式呼吸ができないと会話できないということですよね?いや、ざっくりですよ!
外国語はある程度の年齢になると、男性も女性も日常的に腹式呼吸で会話しているわけです。
逆に、日本人は、ある程度意識して訓練しないと腹式呼吸で発語できないとも言えますよね?
そう、日本人は、腹式呼吸を意識しなくてはいけないのです。
腹式呼吸は大事だ!
腹式呼吸ができないと物にならん!
みたいなことを言われてきました。
で、なんで、腹式呼吸が必要なのか?
これも、そりゃあ、いっぱいいっぱいメリットはあります。
いずれここでも書いていきたいと思いますが、ここでは1つだけクローズアップしていきます。
それは声に指向性を持たせられることです。
これもざっくりですが胸式呼吸の発生は拡散する発声。
腹式呼吸の発声は一点集中型の発声と思うんです。ざっくりね。
なんで、一点集中型がいいの?
声だからたくさんの人に伝わる拡散型の方がいいんじゃないの?
と、思いますよね。
一点集中型がいいと言われるには、訳があるんです。
それは「説得力」が出るんです。
イメージしてみてください。
選挙の演説で拡散する話し方で、誰に向かって話しているのかわかりにくい演説と
指向性のある腹式呼吸で、「今、あなたに話していますよ」と伝えることができる演説では、どちらの方が説得力があるのか?
多分、後者だと思います。
この「説得力」が出るというのは、声を使う表現では、あるのとないのとじゃ、格段の差がつくものだと思うのです。
日本語的要因
これはずばり日本語が説明過多な言葉
ということです。
「木漏れ日」という言葉があります。
わかりますよね?あの葉っぱと葉っぱの間から差し込む光。
日本人なら「木漏れ日」という言葉だけで思い出させる情景や、その時の季節、なんなら気温なんかも思い出し感じることができるかもしれません。木洩れ日にはそのくらいの情報が詰まっています。
さて、この「木漏れ日」英語で表現するとどうでしょう?
直訳すると「Sunbeams」となります。
ええええーーーーーっ!サ、サ、サ、ンビームス!
えービーム?ビームが出んの?誰ヤラレルノ?
と「木漏れ日」の持つ本来の情緒みたいなものがありません。
もし、これを英語で表現するならば
ほら!あれ!木があって、風が吹いてて、風が吹くたびに葉っぱが揺れて、その葉っぱの揺れが全部違うから、葉っぱが重なったり離れたりするときに、そこから、太陽の光が差し込んだり差し込まなかったりするのが、キラキラキラーってしてて、それが何とも言えないぐらいに綺麗で眩しくてなんて言ったらいいのか、ムキーっ!とにかくきれいなのさーーーっ!
と、このくらいの熱量がいるかもしれません。まあ、オーバーですけど。
でも、日本人なら、
木漏れ日がきれい~
だけでいいんです。
なに、この、熱量の違い?
でも、外国語が普通なんです。
日本語が特殊なんです。
このように、日本語には、言葉自体に感情や情緒が含まれたものが多いんです。
だから、話してる本人は、あまり感情を載せずに話しても、相手には伝わりやすいんだと思います。
まとめ:イマシタが考えた日本人が表現下手な3つの要因
外国語話すときには、自分が言いたいことを直接的に感情をあらわに、腹式呼吸で、時には身振り手振りを交えながら説明しなくてはなりません。
日本語で話すときは相手のことを慮って、説明過多な日本語を使い、胸式呼吸で話してるのです、基本的には。
ということはですよ。
自分の表現したいことは、ストレートに、説明過多な日本語を使ってるということを意識して、腹式呼吸で発声できれば、今までとは違った自分が表現できるんじゃないでしょうか?
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